新築する住宅の大きな課題は設定した敷地の3方(西南北)が駐車場で、最多8台もの自動車に家が囲まれてしまうことだった。元々、倉庫の周りは自家用車とアパートの住人用の駐車場になっていて、継続した収益が見込めることから今後も駐車場として使用したいとのオーダーがでたのだ。この為1階は唯一母屋の庭を臨める東側を解放し、それ以外は西側に配置した寝室に必要最小限の開口を設けるのみとした。
2階はLDKと水廻りで、ファサードである西側の上部に大きな窓を設け、リビングを他の床よりも下げることでプライバシーを確保しつつ、明るい空間となっている。
2階には北と東にそれぞれバルコニーを設け、空気の流れや庭木の緑を感じられる。
壁と天井には下地として使われることの多いラワン合板を採用し、材料コストを抑制した。
ストリップ階段の上部はスノコ床になっていて、2階の大きな窓から1階にも光が降り注ぐ。階段室は家の中央にある。普通なら暗くなりがちだが、とても明るい。
この家の北側にある母屋と商店に正対して、1階の玄関に広い土間を設けた。